防衛大学校ラグビー部

英国遠征記

監督 山本 巧


13年前の英国留学で学んだことは、「防大ラグビーは世界に通じる」ということだった。なぜ「防大ラグビーは世界に通じる」のか。2つ理由がある。1つは、防大ラグビーの身上であるコンタクトを厭わないプレーとタックルが出来なければ、英国でもラガーマンとしての信頼を得ることができないという体験である。もう1つは、出来ることを組み合わせて、その枠組みを太くしていく英国のチーム作りは、科学的思考を重んじる防大生にマッチしていると考えたからである。そして、今回、この「防大ラグビーは世界に通じる」という経験を学生に伝えるために英国遠征を推し進めた。

遠征を通じて学生に考え、体験して欲しかったことが4つあった。第一は、防大において、開校以来ラグビー部が確固たる地位を占めている理由である。言葉を替えれば、槇初代校長のスポーツに対する考え方である。このことは、英国陸軍士官学校との交流で明確になったのではないだろうか。二番目は、ラグビーの持つ広がりである。これについては、ラグビー校研修、プレミアシップ試合観戦、オールド・アクトニアンズ・ラグビークラブとの試合を通じて、いかにラグビーが人のつながりを大切にし、それゆえ広がりを持った豊かなスポーツであることを感じたのではないだろうか。三番目は、防大ラグビーの強みを認識することである。すなわち、防大ラグビーが身上とするタックルは、世界に通じるということを知ることである。このことは、特に英国陸軍士官学校との試合で明白になったと思う。四番目は、チーム作りである。普段とは全く異なる環境、特に英語の世界に身を置きながらチームで行動することは、メンバー間の交流が進み、チーム作りに役立つと考えた。8日間の起床ラッパもないタイトな遠征スケジュールは、チーム、そしてチームと個人の関係を考える良い機会になったと思う。

また、意図したことではないが、英国陸軍士官学校滞在は、学生にインパクトを与えたに違いない。歴史あるホールで着飾った英国軍人に迎えられたレセプションは、防大の格、防大の制服の重みを知る機会になっただろうし、TPOを考える場にもなっただろう。広大な敷地の中で、歴史ある建物に囲まれて、天然芝ラグビー場でプレーすることに学生は威厳を感じただろう。

現役プレーヤー時代から何度も海外遠征に参加しているが、今回ほど充実した

 

遠征はなかったと思っている。これは、多くの方々の協力・支援の賜物である。まず、エジンバラ大来日以来の友人であるオックスフォード大OBのレジ・クラーク氏にお礼を申しあげたい。英国陸軍士官学校ラグビー部と我々を繋ぎ、オールド・アクトニアンズ・ラグビークラブでの試合や練習をセットアップしてくれた。ロンドン・ジャパニーズ・ラグビークラブの高橋三郎氏には、試合後のパブという英国ラグビーならではの楽しみ方を教えていただいた。英国留学時以来の知人、永田為九郎先輩には、学生の忘れ物対応など本当にお世話になった。また、駐英国大使館南一等海佐には、バックアップ態勢を整えていただいた。そして、八田(40期)、佐賀(44期)の両OBは、忙しい中、遠征同行を快諾し、学生の面倒をよく見てくれた。両名無くしてこの遠征は成立しえなかった。

最後になるが、この遠征の成果は、今後にあると考えている。ラグビーの母国で試合をし、防大ラグビー部の足許を見つめ、今後に思いを巡らすことがこの遠征の目的である。ならば、今後も「防大ラグビーらしさ」を貫き、そして、2015年英国陸軍士官学校チームを小原台に招き、打ち破ることができれば、この遠征は大成功である。




日付 曜日 イベント 備考
3/21 解散・移動 22:00羽田空港集合 ホテル仮眠
3/22 日本発 英国着 ブリティッシュエアウェイズ0008便
羽田06:25発 ヒースロー10:00着
トゥイッケナムラグビー場見学
3/23 試合観戦 朝:グラウンド練習
昼食:
午後:プレミアシップ観戦
 London Irish vs Worcester Warriers
London Irish vs Worcester Warriers Madejeski Stadium 1500 KO
3/24 練習試合 午前:フレンドリーゲーム 
3/25 史跡研修 朝:ランニング&筋力トレーニング
午前:ラグビー校へ移動(鉄道) 
昼食:PUB 午後:ラグビー校研修           
3/26 史跡研修 午前:グラウンド練習
午後:史跡研修、サンドハースト校へ移動?宿泊
3/27 試合 午前:試合・帰国準備
午後:対 Sandhurst(陸軍士官学校)
  Camberley, Surrey GU15 4PQ
3/28 英国発 ブリティッシュエアウェイズ0007便
ヒースロー08:05発
3/29 日本着 帰校 羽田04:55着